CZ-8AではART（Acoustic Resonance Technology）を更に進化させ、波面のコントロールに着目し、人によって異なる耳の形状の影響を抑えつつ頭外定位の効果をより引き出すことに成功しました。
スピーカーから出た音は、はじめは球面波的に広がっていきますが、ある程度距離が離れたリスナーの耳に到達する時には平面波に近くなっています。私達は普段このような平面波を聞いて音の方向や距離を感じています。しかし、ヘッドホンでは音源が耳のすぐ近くに有るため球面波の状態で耳に届いてしまいます。そこでCZ-8Aでは耳に早く届く音を音響レンズの原理で遅らせ、波面が揃って耳に届くように工夫した波面コントロールガイドを追加しました。
より自然な頭外定位の音場、音像を実現しました。

＜主な特徴＞
自然な音質、音域のバランスを実現するドライバーユニット
メインチャンネルの再生は、Φ40mmの主音源低音用ドライバーユニットとΦ23mm主音源高音用ドライバーユニットによる2ウェイ構成となっています。また、逆チャンネル再生にはΦ35mmのドライバーユニットを搭載しています。全ての振動版にベリリウムコーティングを施し、優れた特性とともに均質で滑らかな音質を確保しています。また、各ユニットのフレームには真鍮のリングを装着し、強度の確保と不要な振動を排除しています。

外部からのノイズを軽減し微小レベルの再現性を向上させるアルミカバー
CZ-1、CZ-10では逆チャンネルの音に時間差を与えるADC（Acoustic Delay Chamber）がハウジングの外側をまわる特徴的なデザインとなっていましたが、CZ-8AではADCをハウジングの内部に収めました。そしてハウジングの外側をアルミカバーで覆う構造としました。このアルミカバーのシールド効果により、ボイスコイルなどが外部の電磁波ノイズから受ける影響を軽減し、よりクリアで繊細な再生を実現しています。

優しく確実にフィットする3Dイヤパッド
イヤパッドの前側と後ろ側で厚みを変えた3Dイヤパッドを装着しました。ハウジングの耳側のバッフル面の曲面形状と相まって、頭部に優しく均一に馴染み、疲れにくくかつしっかりとした気密性を確保し、安定した低域再生に結び付いています。